※こちらの記事は、以前「そらまめ式自閉症療育」ブログに掲載したエントリの転載です。
先日、「SIGMA 28-80mm F3.5-5.6 MACRO」という古いレンズを、全域マクロに改造する記事を投稿しました。
今回は、再び「SIGMA 28-80mm F3.5-5.6 MACRO」を全域マクロに改造する話題です。
↑このレンズです。
前回の記事では、マクロスイッチ部分をかなり強引に破壊する手法をとりましたが、今回はちゃんとレンズを分解して丁寧にスイッチを改造するやり方をご紹介したいと思います。
ただし、難易度はかなり高いです。レンズを壊してしまうリスクがかなりあります。
でも、こちらのやり方で成功すると、マクロスイッチの機能を残したまま、全域マクロに改造できるというメリットがあります。
つまり、どの焦点距離でも、通常モード(フォーカス範囲が限定されるためAF速度が速くなる)とマクロモード(最短撮影距離が25cmと短くなり、被写体に思い切り接近できる)を自由に切り替えることができるようになるわけです。これはなかなか便利です。
それでは、改造方法についてご紹介していきます。
今回用意したのは、CANON用のレンズです。
実は一度ミノルタ用のレンズで改造したのですが、そのとき写真を撮っていなかったので、今回写真撮影のためにわざわざCANONのジャンクレンズを捨て値で買ってきました。
CANON用はAFモーターが内蔵されているなどの違いがありますが、他社用のレンズでも手順は基本的に同じです。
また、工具としては、最低限、先端サイズ00および先端サイズ0のプラスドライバーが必要です。(先端サイズ00のドライバーは、いわゆる精密ドライバーでも代用できます)
まずは、マウント部分から外していきます。
CANON用の場合、接点を止めているネジはマウント面ではなくサイドにあります(2箇所)。これらのネジも外してマウント部分を完全に外してしまいます。
マウントを外すと、金属製のスペーサーが2枚入っていますので、これを外します。変形しやすいので注意してください。
鏡筒部分をもう1段階外します。赤丸の3箇所を外せば、AFモーターなどの電子パーツはそのままで、鏡筒部分だけ外すことができます。AFとMFの切り替えスイッチが引っかかるので、うまく外してください。
続いて、ズームリングのゴムベルト(オレンジ矢印を外します。(赤矢印は、先ほどの手順で外した鏡筒の一部です)
ゴムベルトを外すと、セロテープで止められた金属板が出てきます。これも外してしまいます。
金属板を外すと、ひげのような接点をもった金属パーツが出てきますので、ネジを外してこのパーツを取り外します。
これで、ゴムベルトがついていた鏡筒パーツ(赤矢印)は外れる状態になっています。
ただし、赤○で囲ったレバーのような金属パーツが鏡筒パーツとかみ合わされていて、外そうとするとこれが引っかかります。
ここは、ある程度鏡筒パーツを歪ませて力を入れて外すしかありません(焦点距離80mmの位置の近くに、外れやすい場所があります)。ここで運が悪いと鏡筒パーツが割れて壊れます。
この鏡筒パーツを外すと、ようやくマクロスイッチの下部にアクセスできるようになります。
マクロスイッチを「マクロ」の位置に動かすと、スイッチの下に小さな金属の突起が出てきます(赤○)。これを、ラジオペンチなどで折り曲げて金属疲労させて折り、突起がない状態にします。
これが、突起を除去した状態です。万一、少し突起が残ってしまった場合は、金属製のヤスリなどで削ってなんとかフラットな状態にしてください。
後は、これまでの分解の手順をさかのぼって組み立てていけば完成です。
ただし、先ほど苦労して外した鏡筒パーツを付け直すのも一苦労です。(やはり焦点距離80mmのあたりにはめ込みやすい箇所があります。ただ、ある程度はめ込んだ後で短い焦点距離のほうにレンズを回したほうがうまくはまるかも)
マクロスイッチを破壊する従来のやり方よりも、マクロスイッチの機能を「拡張」するこちらのやり方のほうが、改造後のレンズの「完成度」が高いので、満足度は確実に高まりますね。
ただし、繰り返しますが、難易度はそれなりに高いですので、自己責任でお試しください。
2012年04月08日
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