2013年06月24日

トラベラーギター「Ultra Light」シリーズが熱い!

前回の記事では、使わなくなったギターをウクレレ化するアイデアについて書きましたが、ウクレレのプレイアビリティ(演奏の気軽さ)が大好きで、音は逆にエレキギターの音のほうが気に入っている私は、最近は積極的に(最初からウクレレ化する前提で)エレキギターを物色するようになっています。

エレキギターをウクレレとして使うにあたって気になるのは、何よりサイズと重さです。
全長で50cm台、重さは軽いものでは400g程度からあるウクレレに対して、エレキギターは全長1m近く、重さも4kg近くと比較にならない大きさ・重さです。
さすがにここまで大きいとウクレレと同じ気軽さ、というわけにはいかないので、何とか「小さくて軽いエレキギター」が欲しくなります。

ここで、1つのアプローチとしては「ショートスケール」といわれる、弦の長さが短いギターを選ぶ方法があります。
小さいギターとして選ぶなら、ZO-3とPignoseが有名ですね。


FERNANDES ZO-3
Pignose PGG-200

これはこれで、普通のギターより一回り小さくて、アンプ内蔵で本体だけで音が鳴るなど楽しいギターです。
でも、重さはフルスケールのものとそれほど変わらないし、長さも「一回り」しか違いません。

ここで、単純に小さくするなら「子ども向けミニギター」というジャンルもあります。


PhotoGenic ミニエレキギター アンプセット
PLAYTECH ミニギター ST025

こちらは大きさがかなり小さくなり、その点は希望に近いのですが、子ども向けのおもちゃという扱いで、チューニングの精度などに限界があるのが欠点です。

そこで、もう1つの小さいギターのジャンルとして「トラベルギター」というものに注目したいと思います。

これは、携帯を前提としたミニギターで、ミニギターではありながら、大人のサブギターとしての使用を想定しているため、小さいながらもしっかりした作りになっているのが特徴です(ただ、その代わりとして値段もそこそこするものが多い)。

このトラベルギターのジャンルで、私が気に入って実際に手に入れたのが、神田商会さんが取り扱っている「トラベラーギター」というブランドのトラベルギターです。
なかでも、Ultra Lightシリーズの「Ultra Light Electric」と「Ultra Light Steel」が、スペック的に私の希望にぴったりでした。


↑写真のギター(左)は、Ultra Light Steelです。ちなみに右がエレキウクレレ(コンサートサイズ)。それほどサイズが違わない(でもスケールは全然違う)のが分かると思います。


TRAVELER GUITAR トラベラーギター Ultra Light Electric
TRAVELER GUITAR トラベラーギター Ultra Light Steel

この2台、ピックアップの仕様以外はほぼ同じです(似たようなもう1台、「Ultra Light Nylon」はクラシックギター仕様でネックが太いので注意(笑))。

「Electric」のほうはハムバッカーピックアップがついていて「エレキギター」、「Steel」のほうはピエゾピックアップがついていて「エレアコ」という位置付けです。
ピックアップの違いが音質の違いになっています。

一方、何より目を引くのが独特の形状でしょう。
ペグをボディ内に組み込んだヘッドレス仕様とブリッジがボディエンドにある構造で、全長が71cmと、ほとんど弦の長さ(スケール)と変わらないという究極のコンパクト化が実現されており、ボディも極細極薄、重さもわずか1.4kgと、これなら「ウクレレの代わりにする気になれる」サイズ感です。
実際、71cmという全長はほぼテナーウクレレと同等ですから、「ウクレレ並み」といっても誇張ではないですね(しかもテナーウクレレよりずっと薄くて細い)。
それでいて、一般的なギターと同じスケールを実現しており、妥協のないギターらしい音質と安定性が確保されています。
このサイズにぴったりのソフトケースも付属しているので、携帯も楽々です。(実際、ケースに入れた状態をみると明らかにテナーウクレレより小さく見えます)

ただし、アンプは内蔵されていないので、携帯用途を考えると、ヘッドフォンがさせる小型のマルチエフェクターないしヘッドフォンアンプを用意しましょう。
そういう用途に定番のAmPlugもいいと思いますが、個人的にはKORGのPandoraシリーズのほうが応用が効くと思います。


VOX ヘッドフォンアンプ amPlug アンプラグ TWIN
KORG PANDORA mini
KORG PANDORA PX5D

このトラベラーギターの「Ultra Light」シリーズ、市場価格は2万円台後半~3万円程度です。
付加価値を考えると「激安」といってもいいのではないかと思います。

実際に入手して弾いてみると、出てくる音が笑ってしまうくらいしっかりしているのでびっくりします。
ネックからボディまで一体成形になっていて、ペグの部分にいい具合に穴が開いているボディ形状が貢献しているのか、少なくとも安物の一般的なエレキギターよりよほどいい音がします。
特に音の伸びがすごくいいです。

ちなみに、弦を2本はずしてウクレレ状態にすると、弦のない部分のブリッジ部分が構造的にブラブラするので、そこがビビリの原因になることがあります。
テープで固定するなどの手当てをすると、ビビリが消えます。
また、このブリッジの構造を考えると、ウクレレ化するときに残す弦は、中央の2~5弦とするのがいちばん安定すると思います。
posted by そらパパ at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | ウクレレ | 更新情報をチェックする

2013年06月11日

挫折したギターのウクレレ活用法(笑)

エレキでもアコースティックでも、「ギターに挑戦したくなる」というのは多くの人が一度は通過する通過儀礼(笑)みたいなものなんじゃないかと思います。

で、その中の何割かの人は実際にギターを買って練習してみて、さらにその中のかなりの割合の人はFとかのバレーコードが弾けなかったりして挫折してしまう、というのがよくあるパターンなんじゃないかと思います(というか私がまさにそれ)。

そんなわけで、家にほこりを被ったギターが放置されている家は少なくないんじゃないかと思います。

そんな、使われていないギターを再活用して、「いきなり弾けるようになってしまう」という画期的なアイデアがあります。
それが、

ウクレレにしてしまう。

というものです。

やり方は超カンタンで、2本の弦を取り外して4本にしてウクレレチューニングに変更する、これだけでOKです。
ギター本体の改造も、特殊なパーツもまったく必要ありません。

なかでもいちばんわかりやすいのは、太い方の2本(5弦、6弦)を取り外す方法です。
これだと、ギターのチューニングのままで何も調整しなくても、D-G-B-Eということで、5度移調したLow-Gチューニングのウクレレとまったく同等となりますので、そのままウクレレとして使えます。



ただ、ほったらかしのギターは、細いほうの1弦や2弦が切れていたりさびたりしているパターンが多いと思いますので、他の弦の取り去りパターンもご紹介したいと思います。

個人的におすすめなのは、細い方と太い方、両端の1弦と6弦を除去して2~5弦を残す方法です。
これだと、弦が中心に集まるため見た目も自然です。
このパターンの場合、ギターのチューニングそのままだと低い方からA-D-G-Bとなりますが、ウクレレチューニング(Low-G相当)とするためには、残した弦のうち細い方から2番目の弦のGをF#に半音だけ下げて、A-D-F#-Bとします。

また、細い方2本の弦が両方とも切れているような場合は、太い方の4本(3弦~6弦)を残す方法も考えられます。
この場合、ギターのままのチューニングだと低い方から順にE-A-D-Gとなりますが、EとAを半音上げてF-A#-D-Gとするか、DとGを半音下げてE-A-C#-F#とすれば、ウクレレチューニング相当となります。

ギターは楽器の中でも結構難易度の高い部類だと思いますが、これがウクレレになると、ギネスブックに「世界一簡単な楽器」として登録されるほど易しい楽器に変貌しますから、今まで弾けなかったのが嘘のように簡単に弾けるようになるはずです。

もちろん、スケールの長さやネックの太さはギターのままですが、少し弾けばすぐに慣れるでしょう。

また、「エレキウクレレ」はスチール弦を張った本格的なものはほとんど手に入らず手に入ったとしても高価ですが、安いエレキギターから弦を2本外すだけで、はるかに安く「エレキウクレレ」が手に入ります。

これ、やってみるとすごく面白いですから、自宅に使われないギターが眠っている方は、ぜひ試してみていただければと思います。


ミニエレキギターいろいろ
posted by そらパパ at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ウクレレ | 更新情報をチェックする

2013年06月01日

HOSCOのウクレレキットでエレキウクレレを作る(4)

安価なウクレレ手作りキットとして定番中の定番である、HOSCOのウクレレキットを使って、エレキウクレレを作る企画シリーズ記事の第4回です。
今回の記事で、いったんこのキットの製作は完了します。


手作りウクレレキット UK-KIT-1
手作りウクレレキット UK-KIT-10
手作りウクレレキット UK-KIT-2
手作りウクレレキット UK-KIT-20
HOSCO

※ちなみに今回使っているのは、「UK-KIT-2」相当のキットです。

いよいよ完成間近!
と思って気づいたら、まだこれからブリッジをつけなければならないのに、ボディ全体、つまりブリッジをつけるべき場所も含めて、チークオイルを塗ってしまいました。

常識的に考えて、4本分の弦のテンションを一手に受ける重要パーツであるブリッジの接着を、チークオイルの上からやってしまうというのはありえません。

仕方がないので、いったんブリッジ接着位置の周辺のニスをいちど紙やすりで磨いてはがして、ブリッジを張り付けたあとで、光沢が失われた部分にはレモンオイルを塗る(笑)、という対応をとることにしました。



うーん、カッコ悪い。

ブリッジは、フレットボードの12フレット目から、12フレット目までと同じ長さだけ離れた場所に配置します。(つまり12フレット目が中心になるように配置)

と説明書にありますが、嘘です

この位置で配置すると、まちがいなくシャープ側にチューニングがずれてフレット音痴になります。
本来の位置よりも、3mm程度ブリッジを後ろに下げるのが、フレット音痴を避けるポイントです
(最近のHOSCOのキットでは、ちゃんと3mm下げろと書いてあります。私が入手した古いキットには、書いてありませんでした。)

さて、ブリッジについては、もう1つやることがあります。
それは、エレキウクレレ化のためのピエゾピックアップの埋め込みです。

エレキウクレレでは、ブリッジの下に、棒状のピエゾピックアップを埋め込むのが一般的です。(このやり方が、もっとも余計な音を拾ったりハウリングが起こったりしにくいです)

ただ、ピックアップには高さがあるので、そのまま埋め込むとブリッジが溝に入らなかったり、弦高が高くなりすぎたりします。
そのため、

・ブリッジ自体を低く加工する。
・ブリッジの溝を深く掘る。


という加工を行います。

その上で、ブリッジをボディに接着したあと、ボディ内部からピックアップをブリッジ下に通すために、ブリッジの端にボディ内部まで貫通する穴を開けます。


↑ブリッジの、この写真で見て上のほうに穴が開いているのが分かるでしょうか。

この穴も、まっすぐ開けるのではなく、斜めに(ブリッジ側が内側に、ボディ内部側が外側になるような斜め方向)開けます。
こうしないと、ピックアップが90度きっかりまでは曲がらないため、ピエゾのブリッジへの密着度が下がり、穴の近くの弦の音は大きく拾い、穴から離れた弦はほとんど拾わない、といった事態を招きます(というか実際に招いた)。

続いて、弦を巻きとるペグを取り付けます。
キットに付属しているペグは、ストレート型といって、ペグを1回転すると巻きとり軸も1回転する原始的な構造のものですが、これだとチューニングは非常に難しいです。

そこで、ペグについてはキット付属のものを使わず、別途用意したギアペグ(ギアによって、ペグ15回転程度で軸が1回転するようにしてあるペグ)を取り付けることにします。



ちなみにこのギアペグも、普通にその辺で買うとそう気軽に買えない値段ですが、eBayで個人輸入しているため非常にリーズナブルです。eBayは楽器製作には欠かせないサイトですね。(笑)

そして、ナットもつけるのを忘れてました(^^;)。
こちらも軽くニスをはがして、貼り付けます。

続いて、プリアンプユニットを取り付けます。

・シールドを差すジャックを固定します。


・ピックアップをボディの裏側からブリッジに開けた穴に出し、ブリッジの下の溝に這わせて、その上からブリッジを固定します。


・ジャックからつながるコードと、ピックアップからつながるコードをまとめて、余った分はボディのなかで暴れないように固定します。




・上記2本のコードを、それぞれプリアンプユニットのソケットにさしこみます。
・プリアンプユニットをボディにはめこみ、ネジで固定します。


・プリアンプユニットに電池を入れます。

そして最後に、弦を張ります。
ここでも、キットに付属の弦はいつのものかわからないような非常に古いものだったのであえて使わず、手持ちの別の新しい弦セットを使いました。

さて、試奏です。

…大成功!
ちゃんと音も鳴り、ピックアップでも音が拾えています!

…と、最初は思ったのですが、実は細かくみていくと、問題が山積みであることがわかってきました。
それについては改めて書いていきたいと思います。

結論としては、

・ウクレレキットでウクレレを自作するのは思っていた以上に大変。
・工具もかなりたくさん必要。
・プリアンプキットを使ってエレキウクレレに改造するのは、思っていたよりは簡単だったけどやはりいくつかの落とし穴がある。
・でも、ウクレレの自作は楽しい!
・タイトボンド最強。ネックもブリッジも、ウクレレ弦のテンション程度ではまったく心配ないようなすごい強度で接着できる。素晴らしい木工用ボンド。

posted by そらパパ at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ウクレレ | 更新情報をチェックする

2013年05月29日

HOSCOのウクレレキットでエレキウクレレを作る(3)

安価なウクレレ手作りキットとして定番中の定番である、HOSCOのウクレレキットを使って、エレキウクレレを作る企画シリーズ記事の第3回です。


手作りウクレレキット UK-KIT-1
手作りウクレレキット UK-KIT-10
手作りウクレレキット UK-KIT-2
手作りウクレレキット UK-KIT-20
HOSCO

※ちなみに今回使っているのは、「UK-KIT-2」相当のキットです。

さて、穴開けの作業も終わったので、いよいよ最大の難関である、ボディとネックの取り付けです。



ここで使うのは、一般の木工用ボンドではなく、楽器製作・リペアに定評のある「タイトボンド」です。

アメリカの木工用接着剤タイト...

アメリカの木工用接着剤タイト...
価格:770円(税込、送料別)

アメリカの木工用接着剤タイ...

アメリカの木工用接着剤タイ...
価格:473円(税込、送料別)



木工用ボンドと比べると、もう最初に塗りつける段階からずっと粘度が高くてべっとりした感じです。
そして乾くときに少しだけ痩せます。
乾いたあともあまり透明にはならず、半透明の茶色い濁った色になります。

ですので、あまりはみ出さずに塗り、はみ出したらできるだけきれいに拭き取っておくのがきれいに仕上げるコツ…ですが、これがなかなか簡単ではありません。
余計なタイトボンドを拭き取るより、ボディとネックをまっすぐ貼り付けることのほうがはるかに重要なので、ある程度で妥協して接合部分の位置調整に集中します。(中心線を見ながら、定規を当ててツライチを確認します)

大きなサイズの輪ゴム(ゴムバンド)でボディとネックを固定し、改めて接合面が正しく接合されていることを確認した上で、しばらくそのままそっとおいておきます。

ボディとネックが接着できたら、次はフレットボード(指板)です。
こちらは買ったとき、猛烈に反っていた(このあたりがジャンク品である所以でしょう)ので、過度の乾燥が原因の1つだと考え、一度水に浸したうえで、水平(より少しだけ元の反り方向に対して逆反り)にして固定し、乾燥させてみます。
これで、大きな反りは解消されました。

フレットボードの取り付けは、それ自体としては難しくありませんが、やはり中心線に合わせて、フレットが斜めに取り付けられることがないよう、位置決めすることが重要です。



さて、ここで本当は、ブリッジ(ボディに固定する下側の弦固定パーツ)を取り付ける、または位置決めしてマスキングするのが本来の手順なのですが、私は間違って、それらをやらずに次のステップである「塗装」に進んでしまいました。
このことがあとで余計な手順を招くことになります。

さて、塗装ですが、当初「やらなくていいんじゃないか」と思っていたのですが、結論からいうとやったほうがいいです。
というのも、ウクレレは白木の状態ではやはりとてもカッコ悪いです。ちゃんと木目を出す(または色を塗る)ことで、楽器らしさが出てきます。

(ただ、裏技としては、塗料やニスは使わずにレモンオイルを適当に塗るだけ、という方法もあります。

 

 これでもきれいな木目が出て、見た目はよくなります。
 ただ、この方法だと木の表面のざらざらした感じは解消しないでしょう。
 やはり、レモンオイルよりは、ニスなどを塗って木目を引き出すのがいいと思います。)

さて、木材の塗装では、いきなり塗料やニスを塗るのではなく、「目止め」という作業を事前に行うことが必要です。

目止めは、「との粉」と呼ばれる粉を水にといて、それを塗装前の木材に塗り込むことで、木材表面の細かな穴を塞ぎ、表面の平滑感を向上させます(要は仕上げがきれいになります)。






との粉を塗りました。



ほとんど泥遊びのようです。



塗ったとの粉を、雑巾のようなもので擦り込みながら拭き取ります。


そして、ここに塗装をしていきますが、今回は塗料や一般的なニスではなく、「チークオイル」というものを使いました。



これは、透明で無職で、素材の木目を引き立たせることを目的にした、非常にさらさらしたニスです。
イメージとしては、ニスとレモンオイルの中間のような存在ですね。
液だれの心配もほぼなし(というか、さらさらなので、塗った時点で余計なオイルは下に落ちてしまう)、とても使いやすいです。



チークオイルを塗りました。
このまま乾燥させます。

意外と乾くのに時間がかかり、安心して次の作業ができるまでに2日ほどかかりました。(それまでは何となく少しべたべたしている)

(次回に続きます。)
posted by そらパパ at 22:13| Comment(0) | TrackBack(0) | ウクレレ | 更新情報をチェックする

2013年05月26日

HOSCOのウクレレキットでエレキウクレレを作る(2)

さて、そんなわけで、ウクレレキット製作開始です。


手作りウクレレキット UK-KIT-1
手作りウクレレキット UK-KIT-10
手作りウクレレキット UK-KIT-2
手作りウクレレキット UK-KIT-20
HOSCO

最初は、パーツ(ネック、ボディ)を紙やすりで磨きます。
このとき、ついネックとボディの接合面をがっつり磨いてしまいがちですが、ここをあまり磨くと、特にネック部分の接合面につけられた逆アールの曲面がフラットになってしまって、ボディと接合する際に大きな隙間が空いてしまって失敗します。(ちゃんとくっつかなくなる)

接合面を磨く際には、常にネックとボディをあわせて接合の様子をチェックし、慎重に作業を進めていくことが必要です。
また、このとき、単にぴったり接合する、ということではなく、ボディとネックがまっすぐ接合する、ということが非常に重要です。
本来はボディとネックにマスキングテープを貼り、そのうえに鉛筆で中心線を引き、長い定規をあてながら、以下のことを確認しながら研磨作業を進めていく必要があります。

・ネックとボディの中心線がまっすぐつながる
・ボディの表面とネックの表面がツライチになる(ネックがボディに対して反ったりねじれたりといった位置関係にならない)


この、ネックとボディの接合が、このウクレレキット製作の最大の難関の1つといってもいいでしょう。
その前段階として、接合面の紙やすり研磨による微調整というのは、とても神経を使う作業になります。

さて、続いてですが、ボディとネックを接合する前に、このウクレレをエレキウクレレにするための、ボディへの穴開け作業を行います。
もちろん、接合後に作業をしてもいいんですが、作業時にネックが邪魔になる可能性もありますので、この段階で行っておこうと思います。

最終的に開ける穴は3つなのですが、この段階で開けられるのは2つです。

1つは、シールドケーブルを接続するためのジャックを出すための穴。
こちらは、キリで穴を開けたあと、リーマーで拡大して大きさ調整します。
位置として、ボディの最下部(構えたときに真横)というのが1つの有力候補ですが、ここだと接続部がL字ではないストレートのシールドケーブルを接続したときにかなり邪魔になります。
一方、あまり構えたときに下になる位置にすると、今度はL字型のシールドケーブルを接続しにくくなります。
今回は中間をとって、構えたときに真横よりもやや下という位置にして、どんなシールドでも接続しやすいように配慮しました。



続いて、プリアンプユニットをはめこむ穴です。
今回のピックアップセットには、006P電池の電池ホルダーを兼ねたプリアンプユニットがセットになっていて、ここにピックアップも外部接続用のジャックのケーブルも接続することで、エレキウクレレを構成する仕組みになっています。

ユニットのボディ接合面はS字型のアールがついていますので、ウクレレボディ側できれいに固定できるポイントは1箇所しかありません。
そのポイントを見つけて、そこに四角い穴を開けます。



こういう大きな穴を、周囲を破壊せずに開けるのは意外と難しいです。
このウクレレの木材はかなり柔らかいものなので、私はカッターナイフを慎重に使って開けることにしました。
手を切らないように注意が必要です。

どちらも、穴を大きくしすぎると固定できなくなるので、ぎりぎり入る大きさになったら作業をやめることが重要です。
(もちろん、まだユニットは実際には取り付けません。)

さて、穴開けの作業も終わったので、いよいよ最大の難関である、ボディとネックの取り付けに進みますよ・・・

(次回に続きます。)
posted by そらパパ at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | ウクレレ | 更新情報をチェックする

2013年05月24日

HOSCOのウクレレキットでエレキウクレレを作る(1)

最近、休日には近所のハ○ドオフを覗いて楽器コーナーとジャンク品コーナーをチェックするのが日課のようになっていますが(笑)、今回もこんな魅力的なジャンク品を発見してしまいました(^^;)。



HOSCOのウクレレキットです。
古いもので状態もいまいち、ということでジャンク扱いになっていましたが、中身は完全な新品(未使用品)で部品の欠損もなく、ちゃんとウクレレを完成させることができるものでした。
指板が思いっきり反っていたり、ペグや弦が古くなりすぎていて使えないかもしれない、ということはありましたが、ペグや弦は別のものを使う前提なので、問題なしです。

外箱には、東急ハンズの5500円の値札がついていました。

ちなみにこのHOSCOのウクレレ手作りキットは現在でも販売されていて、ボディや指板の材質、どこまで作業が終わらせてあるか、といったものでいくつかのグレードに分かれていますが、一番安いものはネットショップで3000円以下で買えます。


手作りウクレレキット UK-KIT-1
手作りウクレレキット UK-KIT-10
HOSCO

UK-KIT-10がUK-KIT-1の後継商品で、指板・フレットの材質が向上しています(その代わり若干値上げ)。

ちなみに、今回入手したジャンクウクレレキットは、後で調べてみるともう少しグレードが上で、下記のマホガニーボディのもの(UK-KIT2のほう)でした。


手作りウクレレキット UK-KIT-2
手作りウクレレキット UK-KIT-20
HOSCO

これらのキットは、ウクレレの手作りのプロセスでもっとも大変な「ひょうたん型のボディを木材を曲げたりしながら組み立てる」という部分が終わっている分、作業は楽になっていますが、2番目に大変な「ボディとネックをまっすぐ張り合わせる」、3番目に大変な「ブリッジをチューニングが会うポジションに正確に貼り付ける」は残っているので、決して簡単なキットではないです。
また、当然ですが白木の状態なので、塗装やニス塗りという楽しみ(苦労?)も残されています。

そして、今回、このキットをそのまま作るのではなく、別途入手したピックアップ・プリアンプキットと組み合わせることで、本格的なエレキウクレレに仕上げよう、という目論見です。



↑こちらが、通常のウクレレをエレキウクレレにするための「ピックアップ・プリアンプキット」です。
 例によってeBayで輸入しました。こちらの検索クエリーで同じものが見つかると思います。

というわけで、「ジャンクで拾ってきたウクレレキットを使って、割と本格的なエレキウクレレを作ってみるチャレンジ」、スタートです!(笑)

ところで、最後まで作業をやってみて、身にしみて実感した教訓として、「説明書をしっかり読んで、作業中も何度も読み返して、説明書の手順通りに作ろう」というのがあります。

私も、説明書を無視するつもりはなく、ちゃんと手順通りに作っていたつもりだったのですが、結果としていくつか手順どおりでない作り方をしてしまったポイントがあって、どれも余計な追加作業や仕上がりの悪化を招くこととなってしまいました。
作業が調子よくすすむと、つい説明書を読まずにどんどん先に進めてしまいがちですが、そういうときこそ落ち着いて、説明書を読み返して、飛ばしてしまっている作業がないかどうかしっかりチェックしましょう。

さて、そんなわけで、ウクレレキット製作開始です。

(次回に続きます。)
posted by そらパパ at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ウクレレ | 更新情報をチェックする

2013年05月19日

エレキウクレレのピックアップを再変更!

先日、ノイズ対策でシングルコイルのピックアップに交換したエレキウクレレですが…



白いピックアップがいまいちなのと、やはりノイズ対策でできればハムバッカーにしたいということで、eBayで輸入しました。



シングルサイズのハムバッカーピックアップです。
ちなみに、eBayのこちらから購入しました。
ピックアップを海外から購入して送料込みで8ドルそこそこというのは安すぎですね。(^^)

ちなみに、このピックアップは当然ギター用なので、私のエレキウクレレ用にするために、ジャックを追加しています。
今回は熱収縮チューブも使って、ジャック部分を割と本格的に作ってあります。(画面中央)





コンパクトにできていて高さが低かったので、スペーサーとして消しゴム(笑)を入れることにしました。



というわけで、完成です。

ためし弾きしてみた結果、ノイズがさらに減少し、実用上はほぼ気にする必要がないレベルになりました!

これは素晴らしい。

見た目も、黒くて違和感のない感じになりました。
posted by そらパパ at 19:47| Comment(0) | TrackBack(0) | ウクレレ | 更新情報をチェックする

2013年05月17日

エレキカリンバを製作!

たまたまお店を覗いていたら、安価なカリンバの手作りキットを売っているのを見つけました。

karimba1.jpg

これを見て、びびっと来ました。
「ああ、この楽器はエレキ化できそう!」と


その時点では、ボディの裏側にピエゾのピックアップを貼りつけてエレキ化(エレアコ化)しようと考えていましたが、よくよく考えてみると、カリンバは鍵盤が鉄の板なので、(エレキギターと同じ)マグネティックピックアップでも音を拾えることに気づいたので、まずはそちらの方向で挑戦してみることにしました。

ちなみに、ネットで見てみると、同じようなことをやってる方(エレキカリンバを作っている方)がたくさんいるようです。
似たようなキットも売っています。


↑たぶんこれが、私が買ったのと同じものっぽいです。


↑これは私が買ったものよりきれいに仕上がりそう。


↑これは安くてお手軽な感じですね。

私が買ったカリンバキット、最初の状態ではボディもまったくできておらず、木の板と棒切れだけ、という状態ですので、まずはこれらを組み合わせてボディを作ります。

が、その前に、ピックアップを取り付けられるよう、サウンドホールを拡大していきます。



ここで使った工具は、電動のハンドドリルです。
安価なものですが、キットの改造などを含む楽器製作などの作業をする場合には、どうしてもほしくなる工具ですね。





穴を並べて開けたあとは、小さなヤスリなどを使って穴をつないで大きな穴をあげ、ヤスリやサンドペーパー、カッターや彫刻刀などを組み合わせて穴の形を整えていきます。



これで、ボディの底にあてる側の板にピックアップを固定して、音を拾うという構想です。

さらに、ボディの側面にあたる木片に穴をあけ、シールドケーブルをつなぐためのジャックの取り付け場所を作ります。
この作業では、キリ+リーマーが活躍します。





ボディ用の木材パーツの加工が終わったら、これらを箱状に組み合わせ、ボンドで接着していきます。



ここで使う木工用ボンドも、楽器製作・リペアで定評のあるこちらを使うことにしました。



タイトボンド」です。
日本で売られている白い木工用ボンドよりも粘りがあり、硬化後は硬くぶよぶよしておらず、また乾燥時間も短くて済みます。
実際使ってみましたが、非常にしっかり接着できるので、とても頼もしい感じです。

ここでボディを組み立ててみると、鍵盤を固定するための木ネジを打ち込むための裏板が、シールド用のジャックと干渉することが分かったので、裏板を少しだけ削りました。



さて、そんなわけで、ボディができたらあとは割と早くて、表面に鍵盤固定用の横板を打ち、そこに鍵盤をさしこんで固定すれば、基本的に完成です。



とりあえずピックアップをネジ止めする前に、パーツをつないでシールドも接続して、ピックアップからの音を聞いてみましょう。



・・・音が小さい。
ものすごく小さくて、実用にならないレベルです。

鍵盤が少し高い位置にあるのと、ピックアップ1個では全鍵盤の横幅をカバーできないこと、ピックアップの固定位置も少し低いことなどがあいまって、これではちょっと使い物になりません。

ここで構想を変更し、最初の構想どおり、ピエゾのピックアップを使うことにしました。

ただ、私の手持ちのピエゾピックアップは、ウクレレのサドルの下に埋め込むタイプのものを除けば、すべてジャックが直結していて、薄い板にしか固定できないものばかりでした。

なのでやむを得ず、ジャック用の穴を天面につけます(笑)。



これで試奏!
今度は、十分な大きさの音が出ました。


↑中はこんな風になっています。
 真ん中にあるのがピエゾピックアップで、ここで音を拾って電気信号に変換しています。

ただ、弾いてみると、サウンドホールが端までないために、鍵盤の端の方と真ん中で音が全然違ったので、サウンドホールを広げ、また鍵盤の不揃いな太さを、低い音ほど太い鍵盤を選ぶように調整して差し替えて、エレキカリンバが完成しました!


↑完成したエレキカリンバです!!

調律は自由なんですが、まあ鍵盤が8本なら、普通にドレミにしますよね・・・。
チューナーを使ってそれなりに正確にチューニングしました。

いちおう、超へたくそですが音のサンプルも拾ってみましたよ。



ペンペン鍵盤をはじくときにどうしてもリズムの粒が揃わなくて、正しいリズムで弾けない(笑)。そういう意味では難しいですが、逆にドレミ8音しか出ない鍵盤楽器として考えれば、簡単なメロディはすぐに弾けます。

また、サウンドホールが中央にあることと、今回取り付けたピエゾピックアップがボディ裏側の中央に貼り付けてあることから、端の方の音(ドレとかシドの辺り)と中央の音(ミファソラの辺り)でかなり音質も音量も違います。

中央の音は迫力があり、エフェクターでディストーションをかけるとかなり気持ちよく歪んでロングサスティーンで鳴ってくれます。
(逆に端はうまく歪まないのでクリーントーン専用的な感じ・・・(笑))

そんなわけで、なかなか楽しい楽器製作でした。

☆おまけ:今回の音のファイルですが、伴奏も自前のエレキウクレレです。例のスチール弦+自前で交換修理したピックアップのエレキウクレレですが、ウクレレらしからぬギターっぽい音が出ているのではないでしょうか?(下手なのはご容赦を(==;))
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2013年05月15日

VOXのワウペダルを修理!

またハ○ドオフでジャンク品を買ってきました。

VOXのワウペダル、V845です。




これは現行モデルなので、普通に買うこともできます。値段的にはかなりリーズナブルなワウペダルです。


ヴォックス ワウ・ペダル V845
VOX

ワウペダルというのは、エレキギターとアンプの間に入れて使います。
ペダルを踏み込むと、いわゆるフィルター効果がかかり、「ウワー」みたいな音の変化が起こります。
逆にペダルを戻すと、「ワウー」といった感じの音になりますので、踏んだり戻したりすると「ワウワウ」という感じの音になります。
なので「ワウペダル」というんですね(ちなみに英語ではワーペダル)。



さて、こんかい入手したワウペダルがジャンク扱いになっていた理由は「バイパス時音が出ない」からでした。
このペダルは、先端にバイパス切り替えのスイッチがついていて、ペダルを強く押しこむとそのスイッチを操作できるようになっています。

さて、買って家で分解して故障の原因を調べてみると…



なんとシンプルな故障。単純に、バイパス用のスイッチにつながっている導線の1つが切れていました。

これは修理は簡単です。はんだづけで、切れている導線を改めて接続します。



これで、組みなおして試してみると…

あっさり直ってました!

ジャンク品が完動品に変わりました。

こういう楽しさがあるので、ジャンク品の物色はなかなかやめられないですねえ(^^)。
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2013年05月12日

エレキウクレレ・ピックアップ交換(3)

我が家のエレキウクレレのハムノイズの原因が、ハムバッカーのはずのピックアップの不良によるものだと分かり、個人輸入物なので修理に出すこともできないので、自分でピックアップを交換して直してみることにしました。

もともとついていたピックアップを取り外し、いま実験に使ったシングルコイルピックアップを代わりにインストール・・・しようと思ったけど入りません。

なんと、エレキウクレレのピックアップ用のスペースが若干小さくて、交換しようと思ったピックアップが入らないことが分かりました。

ここで、ピックアップを加工する方法と、ウクレレのほうを加工する方法が考えられますが、迷わずウクレレの加工を選ぶことにしました。

ストラト用のピックアップと交換できる互換サイズのピックアップは膨大にあり、一度ウクレレを加工してしまえば、今後、さまざまなピックアップ交換を楽しめるはず、と思ったからです。

幸い、横方向のサイズは大丈夫で、高さもほぼ問題なく、奥行き方向の配線が出てくる出っ張りの分だけピックアップスペースを拡大してやればいいことが分かりました。

穴開けだと多少は工具があるのですが、既に開いている座ぐりを少しだけ広げるというのは意外に難しいもので、安い彫刻刀を買ってきて地道に彫って広げていきました。



ちょっとカッコ悪いですが、これで市販の一般的なストラト用ピックに交換できるようになりました。





ついでに、ボリュームとトーンつまみも換えてみました。



さっそくエフェクターにつないでみます。

結果は、大成功!

印象で言うと、ハムノイズが5分の1くらいになりました(というか、やっぱり今までの盛大なノイズが異常だったということですね)。
さらに、シングルコイルのピックアップに交換したおかげで、個人的にはより好みな倍音の多いきらびやかな音に変わりました。
大満足です。
これでこのエレキウクレレを弾く機会も増えそうですし、これまでノイズの大きさゆえに使うのをためらっていたACアダプタ必須のエフェクターやアンプシミュレーターも安心して使えそうです。

さらに、これでいつでもエレキギター用のピックアップと交換可能になったので、今後はピックアップの交換でも遊んでいきたいと思います。
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2013年05月10日

エレキウクレレ・ピックアップ交換(2)

弦アースをしっかり引きなおしても解決しない、我が家のエレキウクレレのハムノイズ問題について、さらにさまざまな可能性を追求していくことになりました。



まずは、「ギター以外に、この盛大なハムノイズの原因になっているノイズ源があるんじゃないだろうか?」ということを考えました。
電池駆動だとノイズが出ず、ACアダプタ経由だとすごいノイズが出ることから、周辺の電気を使う器具、パソコン、エアコン、扇風機、サーバー、空気清浄器、さらにはACアダプタをつないでいる電源タップなども疑い、あちこち動き回ったりコンセントから電源ケーブルを抜いたりACアダプタをさすコンセントを変えたり、いろいろ試してみましたが、まったく効果なしでした。

次に考えたのが、「このくらいのハムノイズは仕方ないんだろうか?」ということです。
一応、弦にさわっているとノイズは小さくなりますから、みんな意識して弦に触ることでノイズを回避してるんだろうか、と考えたわけです。

これをチェックするために、問題のエレキウクレレと、先日作成した「ミニエレキ」を同じ環境で接続して、ハムノイズを比較してみました。


大人の科学マガジン Vol.26(ミニエレキギター)
Gakken Mook



結果・・・
圧倒的に「ミニエレキ」のほうがノイズレス。
原始的な構造でノイズには弱いはずのミニエレキのほうが、はるかにノイズは少ないというありえない状態でした。

ここで、「このエレキウクレレ自体に何らかの問題がある」ことがほぼ確定しました。

次にチェックしたのが、「プリアンプ部以降の問題かピックアップの問題か」という点です。

このエレキウクレレの配線を見ると、ジャックへの接続部分のはんだづけなどが結構いい加減で、このあたりで一部断線しかかってノイズを生んでいるんじゃないかという疑いを持っていました。

だとすれば、ピックアップの信号を、このエレキウクレレの回路に接続せずに、別の回路に回してエフェクター等に接続すれば、ハムノイズが出なくなるんじゃないか(出なくなったら、原因はプリアンプ回路からジャック出力までのどこかにある)と考えたわけです。

幸い、このエレキウクレレのピックアップ出力はコードではなくピエゾピックアップなどと同じくミニジャックになっていたので、そのジャックを別途用意した出力回路に接続して、エフェクターにつないでみると・・・

まったくハムノイズ改善せず!

これは驚きました。
この状態だと、このエレキウクレレのパーツのうち、稼働しているのはピックアップだけになるので、これでハムノイズが盛大に出るということは、ハムノイズの原因はほぼピックアップにあるということが確定したことになります。

そこで、原因がピックアップにあることを完全に確定させるために、最後の確認作業を行なってみました。

先日、ハ○ドオフでジャンク品として買ってきたエレキギター用ピックアップ(3つセットだったので、多分安物のストラトについていたもの)を加工し、このエレキウクレレのプリアンプにつなげられるようにミニジャックをはんだづけして取り付けて、それをプリアンプにつないでピックアップをウクレレの弦に近づけた状態で、改めてエフェクターにつないでみました。

結果は・・・

ハムノイズ大幅軽減!
ちゃんとウクレレの音は拾って、かつノイズははるかに小さくなりました。

このチェックでは、変わっているのはピックアップだけですから、これで100%原因がピックアップにあることが分かりました。

・・・というわけで、この問題を解決するには、ピックアップの交換が必要なことが分かりました。

(次回に続きます。)
posted by そらパパ at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ウクレレ | 更新情報をチェックする

エレキウクレレ・ピックアップ交換(1)

エレキウクレレの趣味を始める(というか、「再開する」に近いですが)にあたって入手した、本格的なスチール弦・マグネティックピックアップのエレキウクレレ(日本では安価なモデルはほぼ見かけなかったので個人輸入)ですが、「ハムノイズがひどい」という問題に悩まされてきました。



ハムノイズというのは、エレキウクレレ周辺の電流をピックアップが拾ってしまうことで発生するノイズで、音としては「ブーン」という感じの低い音です。

実は、このエレキウクレレには生意気にも?(笑)ピックアップが2つ搭載されていて、1つはエレキギターと同じマグネット式のハムバッカータイプのピックアップ、もう1つは一般的なエレキウクレレやエレアコと同様のピエゾピックアップです。

このうち、ピエゾのほうは振動を拾うだけのピックアップということもあり、ハムノイズとは無縁なのですが、電気的な振動を拾うハムバッカーピックアップのほうは、特にエフェクターにACアダプタを接続した際に、盛大なハムノイズが出ます。
ハムバッカー(ノイズ消し)という名前とは裏腹に、ほとんど「ハムメーカー」状態です。

ですので、電池駆動が可能なエフェクターは電池で駆動することである程度回避できるのですが、それが不可能な大きめのエフェクターは必然的にACアダプタをつながなければならず、そうするとノイズがひどくて使い物にならないので、そういうエフェクターは使わないか、ウクレレを持ちかえるか、このエレキウクレレで使う場合はハムバッカーからの出力をカットして100%ピエゾ出力で使うか(そうするとこのエレキウクレレの音の良さがまったく出てこない)という、残念な選択をせざるをえない状況でした。

しかも、そのハムノイズが最近ますます増えてきたのです。

というわけで、もうこれはこのままではいられない、ということで本格的な対策に乗り出しました。

まず最初に疑ったのは、アースの不全です。

エレキギターでは、もともとハムノイズはそれなりに発生するものであり、それを軽減するために、プレイヤーの人間そのものをアースに使います。
具体的には、アース線をギターのブリッジ等につなぎ、そこからスチール弦にアースが繋がることによって、弦をさわるとプレイヤーの体を通じてギターの電流がアースされます。

ただ、このエレキウクレレの場合、ブリッジが木製なので同様の手法が取れないようになっています。
また、実際、アースがしっかりしているなら弦に手を触れるとハムノイズが減少するはずなのですが、このエレキウクレレではその効果があまり感じられませんでした。

そこで、まずはその部分を改善しようと考えました。

エレキウクレレの裏板を外して、アースの状況を見てみると、確かにブリッジのほうに向けてアース線が出ています。



ブリッジが木製なのに?

ということで、ブリッジ側も少し分解してみると、ブリッジにアルミホイルが貼られており、そのアルミホイルが弦のボールエンドを固定する穴のところまでつながっていて、そのアルミホイルにアース線が圧着(というか押し付けられて両面テープで貼ってあるだけ)されていました。



でも、そのアルミホイルがぺらぺらでところどころ破けており、しっかり弦と接続されていないようでしたので、まずはここを改造することにしました。


銅箔テープ 50mm×5M
ニトムズ

ここで用意したのは銅テープです。
アルミより電導性の高い銅を使うことで、アース性能アップを狙います。(ついでに厚みもあるので、もともとのアルミホイルよりは耐久性もありそうです)

ブリッジに銅テープをしっかりと貼り、アース線を圧着ではなくはんだ付けでしっかりつなぎます。



はんだづけで厚みができたので、通常の両面テープではなく、クッション性のある両面テープでもともと貼ってあったブリッジの化粧カバーを貼り直します。



ついでに、裏板の内部も銅テープで全面アースにしてみました。



が、こちらは効果を感じられなかったので後日はがしてしまいました。


さて、弦アースを改造した結果ですが、弦に触れたときのノイズ低減効果は劇的に改善しました!
やはり、買った状態の弦アースは機能不全になっていたようです。

ただ、弦に触れていないときのハムノイズは改善せず、それどころかむしろ悪化したような印象さえありました。

しばらくこの状態で使っていたのですが、やはりどうしても耐えられなくなって、より本格的な原因究明・本格改造に突入していくことになりました。

(次回に続きます。)
posted by そらパパ at 00:33| Comment(0) | TrackBack(0) | ウクレレ | 更新情報をチェックする

2013年05月05日

ジャンクのエレキ大正琴をリペア。

最近は、エレキウクレレから始まって、ピックアップで音を拾ってエフェクター・アンプで鳴らす「エレキ楽器」全般に興味を持っている(できれば自分でも作りたいくらい)のですが、先日、某ハー○オフで、大正琴のジャンク品を見かけて、面白そうだと思ったので思い切って買ってみました。



こちらです。(実はこれは清掃後の写真です。清掃前の写真は撮り忘れてしまいました)

この大正琴、シングルコイルの電気ピックアップがついていて、アンプにつないで鳴らすことができる「エレキ大正琴」になっています。エレキギターと同じく、ボリュームとトーンのつまみもついています(日本語で「音量」と「音質」と書いてありますが(笑))。
エレキ大正琴は、普通に買うと(中古でも)けっこう高いものですので、ジャンクで非常に安く(なんと1000円台(笑))買えたのはラッキーでした。家で試しに鳴らしてみると、エレキ部分も動作しました。

ただ、非常に汚れていて、音量や音質のつまみにもガリがあり、さらに弦の巻きもボロボロになっていたので、まずは全体を分解して清掃することにしました。



割と簡単に、ここまで分解できました。
ここまで分解できると、フレットの部分やピックアップの部分、さらにはボディの内側もある程度掃除できます。
また、ガリ対策として、音量・音質のボリュームに「接点復活スプレー」を拭きかけ、ボリュームをひたすらぐりぐり回してみます。(これで、ある程度のガリはたいてい解消します。今回も、ほぼ解消しました。)


接点復活スプレー



ボディのエンド部分についていたメッキパーツ(外してみたらプラスチックのメッキでした)を清掃のうえ、取り付けます。



ボディ内部とピックアップ部分を清掃後、元に戻します。



弦を丁寧に巻きなおします。
本当は弦も交換したかったのですが、大正琴の弦の入手方法が分からなかったので、後回しです。
とりあえず、切れてはいないようなので頑張って張ってみましょう。



ここで、動作確認もかねて、チューナー用のエフェクターとアンプにつないで音を出してみます。
大正琴は、ちょっと驚きますが、すべての弦をG(ソ)に調律します。
上から数えて、最初の3本はすべてG4。
4本目は弦が太く、1オクターブ下のG3。
5本目はさらに弦が太く、さらに1オクターブ下のG2に調律します。
なんとか、弦を切らずにそれぞれ正しい音階に調律できました。



続いて、鍵盤?のユニットを取り付けます。
この鍵盤?は、実際にはフレットを押さえているだけなので、ぶっちゃけ、スチールギターみたいに弾くんならなくていいのでは?とか思ったりもしますが(笑)、これがないと大正琴にならないので、取り付けます。



きれいに清掃でき、組み立ても終わって、リペア作業が完了しました。



こんな感じで、エフェクターとアンプにつないで演奏できます。
でも、なぜか大正「琴」だと、つい「さくらさくら」とか弾きたくなるんですよねー。(参考のために買ってきた教則本にも、すぐに「さくらさくら」が出てきますし(笑))

普通にポロンポロンと弾くこともできますし、「エレキ」なので、エフェクターでディストーションとかコーラスとかをかけて現代風?に弾くこともできます。エレキギターみたいな音も当然出ます。

こういうかっこいい動画もあったりしますので、これから少し練習してみたいと思います。


posted by そらパパ at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | ウクレレ | 更新情報をチェックする

2013年05月03日

「大人の科学マガジンのミニエレキギターを作ってみました!

以前から気になっていたこれ、GWということもあって作ってみました。


大人の科学マガジン Vol.26(ミニエレキギター)
Gakken Mook

大人の科学マガジンは、かつての雑誌「学研の科学」を髣髴とさせる、電子工作などの豪華なふろくのついたムックです。
その「第26号」のふろくは、なんと自分でエレキギターを作れるというミニエレキギターになっています。

しかもチェックしてみると、弦は(6弦ではなく)4弦で、簡単にウクレレチューニング(しかもLow-G)にできることが分かったので、これは面白そう、ということで買ってみました。
(ちなみに、ふろくだけでなく、雑誌部分も、エレキギターの歴史や構造、ギタリストのインタビューなどが載っていて非常に面白い内容になっています。)


↑これがふろくのパーツ一式です。ボディはプラスチック製。


↑最初に弦を巻き取るペグの部分を作ります。
 トラベラーギターのように、ボディの下の部分で弦を巻くというのはとてもかっこいいですね。


↑続いてネックを取り付け、弦をセットします。これはギターの裏側ですが、弦をセットした場所の少し上に、4つのネジが見えていますが、それぞれの弦はボディの表側をぐるりと1周して、このネジに固定します。
 これは素晴らしいアイデアで(雑誌本文でも書かれていますが)、弦を1周させることで、ネックの表側と裏側、両方にテンションがかかることで、ネックがテンションに負けて反ってしまうとを防いでいるわけですね。これによって、プラスチック製の安価なネックでギターを作ることに成功しているというわけです。


↑というわけで、弦をペグに通して…


↑ぐるりと1周させてネジで固定し、4本の弦をしっかり張ることができました。


↑なんと、可動式ブリッジまでついています。これによって後でフレット音痴を調整できます。
 こういうところにムダに凝っているのも面白いところですねえ(笑)。


↑続いて、電子回路部分ですが、こちらは完成基板がついているので、基本的にボディ裏板に取り付けてネジ止めするだけです。(狭いのでそれなりに面倒ですが)


↑そして、このキットの本丸、ピックアップです。
 なんとピックアップは手作りしなければなりません。
 相当長い長さのコイル線を、ピックアップにくるくると巻きつけていきます。


↑くるくるくる…(巻きつけ作業中。けっこう手間のかかる作業です)


↑できました。これをボディ(弦の下)に取り付け、先ほどの電子回路に接続します。


↑というわけで、完成しました!
 作業時間は2時間程度といったところでしょうか。
 キット以外に必要な工具としては、

 ・ドライバー(1号と0号が必要です)
 ・セロハンテープ
 ・輪ゴム

 くらいでしょうか。
 工作としてはかなり簡単なほうになると思うので、どなたでも挑戦できると思います。


↑サイズのイメージです。
 横にあるのはギターではなくエレキウクレレなのでイメージがわきにくい(笑)ですが、一緒においてあるヘッドフォンを参考にして下さい。
 要は、ウクレレよりもはるかに小さい、超ショートスケール、ということです。

チューニングについては、私は最初からウクレレのLow-G(1弦から、A、E、C、Low-G)にしてしまいました。
テンションはかなり緩い感じですが、ちゃんと弾けます。

このミニエレキには、アンプとスピーカーが内蔵されているので、本体だけで音が出ます。
デフォルトでディストーションがついているので、普通にボリュームを上げただけで最初から歪んだ音が出ます(かなり派手な音ですが、意外といい感じのディストーションになっています。)

出力ジャックもついているので、そこにシールドをつないで外部のエフェクターやアンプにもつなげます。
そうやって外につなぐと、ディストーションのかかっていないきれいなクリーントーンを出力することができます。

全体的には、これで本格的に音楽を、というものではないですが、工作として楽しむ、セカンド楽器として楽しむ、チープで安定しないチューニングを「味わい」として楽しむ、そういった、まあ「ガジェットとしての楽器」ではあります。

特に、ピックアップを自作できるというのは意外に大きくて、今後、自分でエレキギター的なものを自作してみようと思ったときに、この経験が大いに活きるな、と思いました。(なぜなら、ピックアップの中がどうなっているかが、今回非常によくわかったからです。)

そんなわけで、楽器好き、ギター好き、電子工作好き、楽器を自作してみたいと思ってる方、そういう方には非常に刺激的で楽しめる工作キットになっていると思います。

posted by そらパパ at 12:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ウクレレ | 更新情報をチェックする

2013年04月25日

ZOOM G2を買うならシグネチャーモデルがお得、という話。

さて、ZOOMのマルチエフェクターの話の続きです。

私の最近の一押しマルチエフェクターは、ZOOMならG2Nuなのですが、最初の1台でいろいろ楽しむなら、まあ少し大きくなっても、ペダルのついたG2.1Nuのほうがいいようにも思います。


ZOOM G2Nu G2.1Nu

でも、ちょっとG2.1Nuは高いんですよね…。

ところが、ここで面白い「策」があります。それは、

G2.1Nuの系列のシグネチャーモデルを狙う!

という方法です。

シグネチャーモデルというのは、有名ギタリストとタイアップして、そのギタリストが作成した音がデフォルトのプリセットパッチとして登録されています。
そして、外観がそのギタリストのイメージにあわせてカラフルに色づけされています。

そして、このG2.1Nuをベースにしたシグネチャーモデル(中身はG2.1Nuと同じで、見た目と内蔵プリセットパッチが違う)が、現在、なぜか本元のG2.1Nuより値下がっているのです。


G2.1KL(キコ・ルーレイロモデル)


G2.1MA(マイケル・アモットモデル)


G2.1DM(デイヴ・ムステインモデル)

モデルにもよりますが、ヘタするとペダルのないG2Nuより安いです。
それでいて、ギタリストのサイン入りピックとか、いろいろオマケもついていたりします。

プリセットパッチが置き換わってしまっているので、プリセットの汎用性こそ失われているかもしれませんが、ちょっといじれば自分なりの音はすぐに作れます(それに、少し慣れれば必ずプリセットでは気に入らなくなって自分でエディットするでしょう)から、特に問題にはなりません。

非常にお得な、G2.1Nu系のシグネチャーモデルを、ぜひ狙ってみて下さい。
posted by そらパパ at 21:50| Comment(0) | TrackBack(0) | ウクレレ | 更新情報をチェックする