※2025/3/14更新:下記の問題、いったんは解消したようです。ですので、「Quest1を安価なビートセイバー専用機にする」というアイデアもまた使えるようになりました。ただ、将来にむけた不確定性はさらに高まっている状況ではありますね。
※2025/3/1更新:ちょうどこの記事を書いたタイミングで、Quest1にアプリをインストールできないという状況が多発するようになったようです。ですので、下記の記事については「現状では、今からQuest1を使いこなすのは非常に難しくなっている」と訂正します。さて、ここからはちょっとハードルが高くなります。
前回エントリの手順で、ビートセイバーの公式版で、提供されている曲で完全に遊べます。
これで十分満足な方は、あえてこの先を進める必要はありません。
ただ、以下の作業を経てBeat Saberをカスタム化しMODを導入することで、巷に膨大に存在するカスタム曲で遊ぶことができるようになり、遊びの幅が一気に広がります。挑戦してみる価値はあると思います。(どうしてもうまくいかなかった場合は、本体を初期化して再度公式版をインストールすれば元に戻せます)
なお、既に書いた通り、ここから先は「ある程度こういう方面がわかってる人向け」に書きます。分からない部分は、他のネット情報などで補っていただければと思います。また、Windows PCと接続用のUSBケーブルが必要です。
MOD導入のための準備作業・Quest1本体の開発者モードをONにするスマホのMeta Horizonアプリから「デバイス」を開き、「ヘッドセットの設定」メニューにある開発者モードをONにします。
この際、実際に開発チームを作ってMetaに登録するというちょっと面倒な手続きが必要です。ネットに情報がたくさんあります(「Meta Quest 開発者モード」等で検索)。実際に開発者にならなくても、指示に従って情報を埋めて送信すればいいので、手続きを済ませます。
手続きを完了させると、先の「開発者モード」の画面から開発者モードをオンにできる状態になっているはずなので、オンにします。
・Oculus ADB Driverのインストール(PC)作業用PCにADB Driverをインストールします。
下記サイトから「Oculus ADB Driver」をダウンロード、解凍して「android_winusb.inf」を右クリックしてインストールを選択します。
https://developer.oculus.com/downloads/package/oculus-adb-drivers/・SideQuestのインストール(PC)PCからQuest内を操作するソフト「SideQuest」をインストールします。
https://sidequestvr.com/setup-howto上記サイトにアクセス後、「Advanced Installer」のページから、Windows10 x64用のSideQuestインストーラーをダウンロード、PCにインストールします。
・SideQuestを起動、Questと接続インストールしたSideQuestを起動します。
この段階ではSideQuestウインドウの左上に赤いランプが点灯していると思いますが、これがグリーンになれば接続成功ですので、それを目指して作業を進めていきます。
通信機能のあるUSBケーブル(本体付属のものでOK)でPCとQuest本体とを接続します。Questを覗き、「USBデバッグを許可しますか?」のダイアログに対し「このコンピューターから常に許可」を選択します。(その他、ファイルのアクセス許可や、Oculus Linkの起動などのダイアログが出た場合、ファイルアクセスは「許可」、Oculus Linkは「後で」を選びます。)
接続に成功すれば、ウインドウ左上のランプがグリーンに変わり、すぐ横に「Oculus Quest」と表示されます。ならない場合は赤やオレンジのランプの横に、解決すべき問題が説明されているはずです。
・QuestAppVersionSwitcherのインストールSideQuestのホーム画面の下にある虫眼鏡アイコンをクリックし、検索窓に「QuestAppVersionSwitcher」と入力します。同名のアプリが表示されたら、それを選択して「Sideload Now」ボタンをクリックします。サインアップ、もしくは国と誕生日の入力を求められるのでどちらかを実行すると、QuestAppVersionSwitcher(以後「QAVS」)がQuest本体にインストールされます。
・BMBFのインストール同様に、「BMBF」というアプリもSideQuestで検索してサイドロードし、Quest本体にインストールします。
・旧バージョン v1.28.0のインストールここまで終わったら、QuestとPCとの接続を外し、Questを装着します。
「ライブラリ」を開き、右上のコンボボックスから「提供元不明のアプリ」を選択し、表示されたQAVSを起動します。「すべてのファイルへのアクセス」云々の権限確認が出ますが、恐らく画面がクリックできないと思いますので、一旦アプリを閉じてください。再度QAVSを開くと先に進めます。ここでファイルアクセスの権限が付与されてなくても問題はありません。
QAVSが起動して、「Setup Assistant」画面が出たら、「Start」を押さずに「Skip setup assistant」をクリックします。
次に左のタブから「Tools & Options」を選び、「Change app」をクリック、「com.beatgames.beatsaber」を選択します。次に「Login」を選び、Beat Saberを購入したMetaアカウントでログインを済ませてください。
続いて「Downgrade」タブに移動し、デモではない方の「Beat Saber」の「Details」をクリック、バージョンリストをスクロールして「1.28.0」を見つけたら、ダウンロードします。
ダウンロードが終わったら「Install Version」をクリック、画面の指示に従って現バージョンをアンインストール、旧バージョンをインストール(「不明なアプリのインストール」の権限を付与して再度インストールボタンを押す必要あり)します。途中で「アプリの復元」等のダイアログが出た場合は何もせず閉じてください。
「Finished!」というダイアログにたどりついたら完了です。QAVSを閉じてください。
・カスタムパッチを当てる続いて、BMBFを起動します(問われる権限はすべて付与)。
Setup画面が出るので、ボタンのすぐ上に「Your version of Beat Saber (1.28.0.xxxx) is supported by BMBF!」と表示されているのを確認したうえで「Get Started」ボタンを押し、そのまま指示に従って進めていきます。
Uninstall Beat Saber→Patch Beat Saber→Install Modded Beat Saber(ここでもインストール権限の確認があるのでインストールボタンは2回押すことになります)と進め、Beat Saberのアプリインストール終了のダイアログが出たら「完了」ボタンを押してBMBFに戻ってきます。途中で「アプリの復元」等のダイアログが出た場合は何もせず閉じてください。
BMBFウィンドウの右上にある、赤い「Sync to Beat Saber」ボタンを押すと、MODのインストールが始まります。
「Sync to Beat Saber」ボタンが青い「Start Beat Saber」に変わったら終わりです。「Mods」タブに移動し、表示されているModリストの各Mod右下のスイッチがすべてON(右)になっていることを確認します。(うまくいっていない場合は、Quest本体再起動→BMBF起動→Toolsから「Remove Mods」選択→「Sync to Beat Saber」選択でMOD導入をやり直します)
※今後はQAVSは不要に(v1.28バニラAPKの保存)QAVSおよびBMBFによる作業が終わると、Quest本体の内部ストレージ、QuestAppVersionSwitcher\Backups\com.beatgames.beatsaber\Beat_Saber_1.28.0_4124311467_Downgraded\ には「app.apk」というファイルが、また BMBFData\Backups\ フォルダには「beatsaber-unmodded.apk」というファイルが保存されています。
これらが改造前のv1.28ですので(ファイルはどちらも同じ)、どちらかをPCにコピーして保存しておき、今後、新たにBeat Saberのカスタム版をインストールする場合は、SideQuestからこちらを直接インストールするようにすれば、上記のQAVSでの作業は不要になり、BMBFによる作業だけで済むようになります。(SideQuestからv1.28をインストール→BMBFでパッチ当て、という手順)
・カスタム版Beat Saberで遊ぶここまでで、カスタム版Beat Saberの導入は完了です。
さっそく起動してみましょう。起動時に「アプリの復元」等のダイアログが出た場合は必ず「アプリを開く」を選びます。
公式曲については、バージョンが1.28に戻っているため、OST5までに減っているはずです。
カスタム曲についてはまだ何もダウンロードしておらず、リストは空っぽだと思いますので、左側の「Mods」一覧にある「More Songs」から適当に検索して曲をダウンロードしてみましょう。
・追加MODの導入MODの導入も、BMBFから行います。BMBFを起動し、「Browser」タブを開くと、初期ページとしてMODリストのページが開いているはずです。
下にスクロールしていって、対象バージョンを指定するコンボボックスで「1.28.0」を設定し、その下にあるMODから導入したいもののダウンロードボタンを押し、最後にウインドウ右上の赤い「Sync to Beat Saber」ボタンを押してMODをインストールします。
一度インストールしたMODを削除する場合は、「Mods」タブに移動し、インストールされているMODの一覧から作業します。
・MOD導入の注意事項カスタム版のBeat Saberの魅力は、カスタム曲で遊べるだけでなく、MODを追加することによって各種機能強化やゲームのカスタマイズができる点ですが、すでに述べたとおり、
Quest1の処理能力はMODを入れない状態でもギリギリです。不用意に重いMODを導入すると、処理落ちしてまともに遊べなくなったり、ゲームが落ちたりしてしまいます。
MODを自由に導入するのは、PC VRでやるか、Quest2以降の機種を買いなおすときまでとっておき、Quest1へのMOD導入は軽いもの限定で必要最小限に留めておきましょう。
それをふまえた上で、Quest1のBeat Saber(v1.28)で使えるMODの選択について、個人的な考え方を整理しておきます。
まず、「これは入れてもゲーム中の処理負荷に影響を与えないだろう」という安全MODです。
・BetterSongSearch:細かい条件を入れて曲を検索できるインターフェイスを追加します。
・RandomSongPicker:リストの中からランダムに曲を選ぶボタンを追加します。
・RecentlyPlayed:曲リストに、プレイ履歴のタブを追加します。
・Clock Mod:現在時刻とバッテリー残量を表示するMODです。オプションから、ゲーム中の表示をOFFにして使用します。
・Tranisition:ゲーム開始時等の警告画面をスキップします。
次に、ゲームの上達やモチベーションアップに不可欠ではあるものの、処理負荷はそれなりにありそうなMODです。必要に応じ導入を検討しましょう。
・BeatLeader:カスタム曲でスコアランキングに参加したり、リプレイを記録したりできるようになるMODです。楽しむためには必須級ですが、プレイ中の動きを常に記録し続ける負荷が発生するほか、プレイ後にリプレイファイルのアップロードが入ってゲームが一瞬固まることもあります。
・Replay:上記BeatLeader MODを導入してゲームを遊んだ際に作成されるリプレイを閲覧したり、動画ファイルに変換したりできるMODです。これ自体はゲーム中の負荷には関係がないので、BeatLeader MODを導入するなら、あわせて導入するといいと思います。YouTubeなどにもアップロードできるような動画も、Quest本体で作成可能です。
・Qounters-:ゲーム中の画面に表示される情報をカスタマイズします。スコアやミスの数、カットの精度など、有益な情報を表示できます。ただ、ゲーム内プレイヤーオプションの「高度なHUD」をオンにすることである程度は実現できるので、カジュアルに遊ぶには必須ではないかも。
・SliceDetails:曲終了時もしくはポーズ時、カットの精度についての情報を詳しく表示してくれるMODです。
・HitScoreVisualizer:キューブを切った際に出るスコア表示をカスタマイズできるMODです。SliceDetailだけで我慢するか、こちらも併用するか、悩ましいところです。
個人的にカスタマイズした、
このMOD用の設定ファイルを参考までに置いておきます。
・AnyTweaks:ゲームのパフォーマンスに関する設定を変更したり、ゲーム中にFPSを表示したりできるMODです。グラフィックの設定を軽くしてゲーム負荷を下げたり、リプレイでFPSを確認して負荷がかかりすぎていないかチェックしたりするのに役立ちます。
最後に、一般的には使用が推奨されていたり、人気があったりするMODですが、Quest1の処理能力をふまえると非推奨なMOD群です。
・MappingExtensions、NoodleExtensions、Chroma:マップでできることを拡張するMODです。導入しないと遊べないマップもあるため通常は必須扱いされているMODですが、重くなるのでQuest1では回避が無難です。
・マルチプレイ系(BeatTogether等)、アバター表示系(VRM QAvaters等):明らかに大きな負担につながるこれらのMODはさすがに厳しいです。
・ビジュアルカスタマイズ系:剣やブロックなどの見た目を変えるMODは多数ありますが、プレイ中の負荷を高める可能性があるので回避が無難です。
※おまけ1:「非正規アプリ」扱いを回避する方法さて、ここまでの手順でカスタム版Beat Saberをインストールした場合、高い確率で、インストールしたBeat Saberは「非正規アプリ」扱いになっていて、起動のたびに警告が出る状態になっていると思います。
うまくインストールすると、非正規アプリ扱いを回避してこの警告を出さずに遊べるようになります。なお、ここから先はQuest1限定で書きます。また、この手順は「これで確実にうまくいく」というものではありません。何度も試行してみて、うまくいく確率が高かったというだけに過ぎないことをご了承願います。
まずは、先に書いたカスタム化の手順をひととおり実行して、「v1.28のAPK」を入手しておきましょう。また、Quest1本体やコントローラーのファームウェアが現時点の最新版にアップデートされていることも必要です。そのうえで、いちどQuest1本体を初期化します。
その後の最初のセットアップがひととおり終わったら、「
すぐに、大急ぎで」以下の手順を実行していきます。(新しいホーム画面に移行するまでに下記の手順を終える必要があります)
・Meta Horizonアプリから、開発者モードをオンにする。
・PCでSideQuestを起動、Quest1と接続してBeat Saber v1.28とBMBFをインストール。
・Quest1でBMBFを起動し、パッチを当てる。
ここまでの流れの途中で、「アプリの復元」ダイアログが出た場合は、作業失敗です。最後までダイアログが出ずに進めた場合は、このタイミングで初めてBeat Saberを起動して、動作確認してください。アプリの警告が出なかったら、成功です。恐らく、Beat Saberを終了したあとに、「新しいホーム画面」の案内が出ると思います。
※おまけ2:カスタム曲をまとめてダウンロードできるプレイリストさて、いざBeat Saberでカスタム曲を自由にダウンロードできるようになると、実は「完成度が高くて難易度もちょうどいい、いい感じのカスタム曲を見つける」ことが結構大変だということに気づきます。
私もそれで苦労したので、いろいろプレイリストを作って整理しています。それらのプレイリストは
こちらで公開していますが、プレイリストを選ぶのも大変でよく分からない、という方は、とりあえず初心者向けの「いい感じの曲」を450曲まとめている、
こちらのプレイリスト1つをダウンロードしましょう。
そして、Quest1をPCに接続してファイルアクセスを許可し、PCから、Quest本体の内部共有ストレージの中、 ModData\com.beatgames.beatsaber\Mods\PlaylistManager\Playlists フォルダにダウンロードしたプレイリストファイルをコピーして、Beat Saberを起動してください。(起動時に、「外部からの変更がありますがどうしますか?」的なダイアログが出たら、YESを選択します)
そうすると、ソロモードのカスタムソングのタブでプレイリストが選べるようになりますので、プレイリストアイコンの下にあるダウンロードボタンを押すと、450曲分のダウンロードが始まりますので、しばらく待ちましょう。これで、450曲のカスタム曲が遊べる環境ができあがります。