で、Quest2を本格的に遊ぶ際に不可欠になるのがヘッドストラップの交換です。Oculus Goのものと似た純正のゴムバンドは、じっと座って動画を見るみたいな用途では使えないこともない(それでもデバイスを顔に押し付けなければならないので快適ではない)のですが、Beat Saberみたいに体を動かすとなると非常に使いにくいです。
交換用のストラップはいろいろありますが、中古市場で流通量が多いのは純正のエリートストラップです。バッテリーありのものはいまだに高価ですが、バッテリーなしのものは値崩れしていて1000円台から買えます。
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伸び縮みするバンド部分が意外に脆弱で、この部分に大小のひびが入っているものが少なくないので、中古で購入するときは注意が必要です。
今回、ストックしていたエリートストラップの中古の1つを使おうとしたところ、
「なんかおかしい」
よく見ると、伸び縮みするバンド部分の左右の長さが違うのです。測ってみたところ1cmくらい違うので、見た目が明らかに変な感じですし、かぶったときの重量バランスも少し悪いように感じます。
これは恐らく、伸縮バンド部分の長さを調整する後頭部部分でカリカリと噛んでいるギアのかみ合わせが左右でずれているのだろう、ということで、分解して修理することにしました。
不思議なことに、ネットで調べてもエリートストラップの分解手順を詳細に書いたものはない(分解後の写真集みたいなのは海外のサイトにいくつかありましたが、そこに至る手順がない)ので、手探りでやってみることにしました。
結果、うまくいったので、以下に手順をまとめておきます。
なお、今回分解したのはバッテリーなしのQuest2用エリートストラップです。バッテリーありのものやQuest3用のものは仕様が違いますので、ご注意ください。
また、分解にあたり、プラスチックパーツには少なからず傷がついてしまう可能性が高いです。分解跡をまったくつけずに分解するのは至難の業だと考えてください。
必要なのは、プラスの精密ドライバーと、すきまにこじ入れてパーツの接合部をこじ開ける分解補助ツール(ない場合はマイナスドライバーでも可ですがパーツに傷がつきまくると思います)です。
ストラップをつらつら見ると、後頭部を支える大きなグレーの丸いパーツとストラップをつなぐ部分に、左右1つずつねじが見えますが、これは取らなくても分解は可能です。が、外した方が作業が楽になるので可能なら外します(ドライバーがまっすぐ当たらなくて外しにくいです)。
その丸パーツの後ろに、ストラップの長さを調整できる白いダイヤルのついた主要部分があります。この部分には、ダイアルのある白い部分と、後頭部支持パーツとつながっているグレーの部分がありますが、この2つの部分のすきまをこじ開けていきます。
この2つは、黒いパーツの方から出ているツメで止まっていて、さらに内部的には両面テープで接着されていますが、相当固いです。こじ開けの際にプラスチックパーツが不可逆的に歪まないよう細心の注意を払う必要があります。
こじ開けは、パーツの左右端、伸縮バンドが出入りしている部分から始めるのがいいと思います。4方向から分散して作業していきます。うまくいくと、後頭部支持パーツを含むグレーの部分が外れます。
ここが外れると、さらにその下にグレーのパーツがあり、これは12個のプラスねじで止まっています。うち1つはシールで隠れているので注意してください。
もう1つ、中央にねじ(グリーンで囲んだもの)がありますが、これはダイヤルを止めているねじなのでグレーのパーツを外す際には外す必要がありません。
12個のねじを外すと、伸縮バンド部分が露出し、かみ合わせを修正することができます。予想通り、この部分のかみ合わせがずれているのが原因でしたので、かみ合わせ位置を修正して元に戻すことで、バンドの左右長さを揃えることができました。
復原は、いまの手順を逆に進めるだけですので簡単です。ただし、最後に丸パーツをねじ止めしようとすると非常に難しいので、丸パーツとグレーの外側パーツのねじ止めは先に済ませておきましょう。

