たまたまお店を覗いていたら、安価なカリンバの手作りキットを売っているのを見つけました。

これを見て、びびっと来ました。
「ああ、この楽器はエレキ化できそう!」と
。
その時点では、ボディの裏側にピエゾのピックアップを貼りつけてエレキ化(エレアコ化)しようと考えていましたが、よくよく考えてみると、カリンバは鍵盤が鉄の板なので、(エレキギターと同じ)マグネティックピックアップでも音を拾えることに気づいたので、まずはそちらの方向で挑戦してみることにしました。
ちなみに、ネットで見てみると、同じようなことをやってる方(エレキカリンバを作っている方)がたくさんいるようです。
似たようなキットも売っています。
↑たぶんこれが、私が買ったのと同じものっぽいです。
↑これは私が買ったものよりきれいに仕上がりそう。
↑これは安くてお手軽な感じですね。
私が買ったカリンバキット、最初の状態ではボディもまったくできておらず、木の板と棒切れだけ、という状態ですので、まずはこれらを組み合わせてボディを作ります。
が、その前に、ピックアップを取り付けられるよう、サウンドホールを拡大していきます。

ここで使った工具は、電動のハンドドリルです。
安価なものですが、キットの改造などを含む楽器製作などの作業をする場合には、どうしてもほしくなる工具ですね。

穴を並べて開けたあとは、小さなヤスリなどを使って穴をつないで大きな穴をあげ、ヤスリやサンドペーパー、カッターや彫刻刀などを組み合わせて穴の形を整えていきます。

これで、ボディの底にあてる側の板にピックアップを固定して、音を拾うという構想です。
さらに、ボディの側面にあたる木片に穴をあけ、シールドケーブルをつなぐためのジャックの取り付け場所を作ります。
この作業では、キリ+リーマーが活躍します。

ボディ用の木材パーツの加工が終わったら、これらを箱状に組み合わせ、ボンドで接着していきます。

ここで使う木工用ボンドも、楽器製作・リペアで定評のあるこちらを使うことにしました。
「
タイトボンド」です。
日本で売られている白い木工用ボンドよりも粘りがあり、硬化後は硬くぶよぶよしておらず、また乾燥時間も短くて済みます。
実際使ってみましたが、非常にしっかり接着できるので、とても頼もしい感じです。
ここでボディを組み立ててみると、鍵盤を固定するための木ネジを打ち込むための裏板が、シールド用のジャックと干渉することが分かったので、裏板を少しだけ削りました。

さて、そんなわけで、ボディができたらあとは割と早くて、表面に鍵盤固定用の横板を打ち、そこに鍵盤をさしこんで固定すれば、基本的に完成です。

とりあえずピックアップをネジ止めする前に、パーツをつないでシールドも接続して、ピックアップからの音を聞いてみましょう。

・・・音が小さい。
ものすごく小さくて、実用にならないレベルです。
鍵盤が少し高い位置にあるのと、ピックアップ1個では全鍵盤の横幅をカバーできないこと、ピックアップの固定位置も少し低いことなどがあいまって、これではちょっと使い物になりません。
ここで構想を変更し、最初の構想どおり、ピエゾのピックアップを使うことにしました。
ただ、私の手持ちのピエゾピックアップは、ウクレレのサドルの下に埋め込むタイプのものを除けば、すべてジャックが直結していて、薄い板にしか固定できないものばかりでした。
なのでやむを得ず、ジャック用の穴を天面につけます(笑)。

これで試奏!
今度は、十分な大きさの音が出ました。

↑中はこんな風になっています。
真ん中にあるのがピエゾピックアップで、ここで音を拾って電気信号に変換しています。
ただ、弾いてみると、サウンドホールが端までないために、鍵盤の端の方と真ん中で音が全然違ったので、サウンドホールを広げ、また鍵盤の不揃いな太さを、低い音ほど太い鍵盤を選ぶように調整して差し替えて、エレキカリンバが完成しました!

↑完成したエレキカリンバです!!
調律は自由なんですが、まあ鍵盤が8本なら、普通にドレミにしますよね・・・。
チューナーを使ってそれなりに正確にチューニングしました。
いちおう、超へたくそですが音のサンプルも拾ってみましたよ。
再生できない場合、ダウンロードは🎵
こちらペンペン鍵盤をはじくときにどうしてもリズムの粒が揃わなくて、正しいリズムで弾けない(笑)。そういう意味では難しいですが、逆にドレミ8音しか出ない鍵盤楽器として考えれば、簡単なメロディはすぐに弾けます。
また、サウンドホールが中央にあることと、今回取り付けたピエゾピックアップがボディ裏側の中央に貼り付けてあることから、端の方の音(ドレとかシドの辺り)と中央の音(ミファソラの辺り)でかなり音質も音量も違います。
中央の音は迫力があり、エフェクターでディストーションをかけるとかなり気持ちよく歪んでロングサスティーンで鳴ってくれます。
(逆に端はうまく歪まないのでクリーントーン専用的な感じ・・・(笑))
そんなわけで、なかなか楽しい楽器製作でした。
☆おまけ:今回の音のファイルですが、伴奏も自前のエレキウクレレです。例のスチール弦+自前で交換修理したピックアップのエレキウクレレですが、ウクレレらしからぬギターっぽい音が出ているのではないでしょうか?(下手なのはご容赦を(==;))